食品科学科OB(1期生)建学原論で講義
18日(水)9時から1年生約400名を対象にした「建学原論」において、「酪農学園の教育理念の継承Ⅲ」「私の目指す農業」と題して上村篤正氏(食品科学科同窓会会長)が約1時間の講演を行った(19日も連続講演の予定)。
前段の経歴紹介では、家業である養鶏業の連鎖倒産等による苦労談やこれまでのさまざまな経験の中で培った職業観や人生観について語った。
現在の(有)ウエムラ牧場では白老牛の肥育から加工、卸売、小売、販売までを営んでおり(結果として六次化、農商工連携)、卒業して20年目を迎える。この間、目の前の問題を一生懸命考え行動してきたが、その行動様式は本学で培われたものであると述べた。
家畜の「命」は、人がそれを食することにより喜びと生きがいを与えてくれる意義のあるものなので、それを心をこめて調理師し全うさせることが我々の役割であり、責務であると述べた。
また白老の辺鄙なところにあるレストランに足を運ぶお客様(消費者)は、我々スタッフがどのような思いでこの命を考えているかを見にきている。このことが我々にとって最高の付加価値であるとも語った。「建学原論」のテキストでは、「三愛精神」「健土健民」という言葉の意味と重さを卒業して20年経ってやっと理解してきたと記述している。
また上村氏は、最近、白老の畜産農家有志と農業後継者のためのヘルパー事業設立に向けて奔走している。