第8回酪農学園「緑風会」中央研修会報告
例年以上の猛暑が続く8月1日(土)午後1時から第8回を数える緑風会(教員OB会)の中央研修会がC1号館101教室を会場に、学園関係者を含めて34名の出席により開催された。岡田正裕事務局長の司会で進行。開会式では主催者代表挨拶として西田丈夫会長(岩見沢農業高校校長)から本日の教育実践報告でもあるSSH(Super Science HigtSchool)やAFSの紹介や干場敏博事務局長の退任報告があり、謝意を述べた。
共催者代表挨拶では寺脇良悟教職センター長から日頃の教育実習等へのお礼と講演2の教職コースについて紹介した。同窓会と入試部からは配付資料の紹介と同窓会の概要報告並びに小山久一同窓会会長から同窓会の現況についてご紹介いただいた。
2.講演Ⅰでは仙北富志和学園長から「黒澤酉蔵の農思想に学ぶ」と題して約50分、黒澤酉蔵翁生誕130年・遺訓を聴く「健土と健民に虹を架けた農思想」のスライドを用いて、黒澤翁の生い立ちから時系列的に主な遺訓集から抜粋した翁の農思想を紹介した。
学園長は、産業界、教育界、政界等で幅広く活動した翁は3回叙勲を受けたことや、今日国土が放射能で汚染され、自給率が低下する中で、健土健民健産の三健論を唱えた翁の先見性を紹介し、亡国論への警鐘を鳴らした。
3.教育実践発表では(1)SSH(Super Science Highschool)への取組、完成年度を迎えてと題して北海道岩見沢農業高等学校 松浦直哉教諭が発表した。
SSHとは「将来国際的に活躍し得る科学技術系人材の育成」を目的とした文部科学省が指定する国家プロジェクトであり、指定校が203校、内農業高校6校、道内高校10校となっており、指定期間は5カ年となっている。H25年に指定された岩見沢農業高校は「我が国の農業科学技術系人材を育成する農業科学プログラムの開発」をめざし、「農業と科学および英語教育を融合した学習プログラム」について、目指すものとして1)農業科学技術を高める。2)課題解決能力や論理的思考力を高める。3)世界の貢献できる国際性を身につける。将来像として農業・科学技術のスペシャリストや農業・理工系大学への進学となっている。
主な事業内容として7時間目の設定や土曜授業、ALTの常駐、海外研修、学会発表等が挙げられる。まとめとして英語への親近感等が紹介された。
続いて(2)北海道農業高等学校実習生産品の安全管理「自主規制制度AFS」への取組と題して同じく岩見沢農業高等学校渡部哲哉教諭から報告いただいた。
事例として昨年発生した「ローストチキンの過熱不足による製品の回収」の事故発生での保健所とのやり取りを契機に農業高校での実習生産品の販売にあたり自主規制制度認証制度を発足した。製造許可書の確認、製造施設の整理整頓・環境整備、製造者の体調確認等を行い、認証制度への商品登録申請を行い、PRシート、製造許可確認表、製造工程表を認証委員会に提出することになっている。イベント出品への認証シール貼付が義務付けられる場合もある。
3.講演Ⅱとして「本学教員養成の取組-教職コースの現状」を教職課程室長の岡島毅教授(草地・畜産学教育研究室)から本学の教職コースの概要について詳細にご紹介いただいた。
研修会終了後は、会場をレストトラン「トンデン館」に移動して懇談会が開催された。